真マジンガー 衝撃!Z編 第18話「消滅!ミケーネ最後の日!」

(0805注:タイトル間違えてました…正しくは17話「共闘!危険な過去への旅!」でした)
すいません今川監督!今回マジンガーはちょっとだるいかなあテレビシリーズだと尺が長すぎるのかなあとか思ってました!ナメてました!この18話はほんとに素晴らしかった!
この作品をやってる今川監督というのは、もともとミスター味っ子とかGガンダムとかで無茶苦茶な演出が評価された人なんですよね。(こういうやつです)ぼくがハマったのはジャイアントロボからで、一応ロボットモノなのに群像劇というか、超人がたくさんでてくるってところに惹かれました。生身の人間の筈なのに足から火を噴いて飛ぶ人とか、指パッチンで何でも切り裂く人とか。他の横山作品からもスターシステム的にキャラが出演してて、孔明とか赤影とか原作では味方側のキャラが敵として出てきたり、そういう無茶さも面白かったです。
マジンガーZのストーリーはアウトラインくらいはみなさんご存じかと思います。主人公が祖父の作ったロボットを操って悪いやつを倒すっていう話ですね。話の骨格自体も少し原作とは違うんですが。今回の話、ぼくが感銘を受けた話ではあしゅら男爵っていう男女が半々につながったキャラが出てくるんですが、彼らはもともと古代ミケーネ文明(というのがあるのです)の遺跡から掘り出された男女で、遺体の損傷が激しかったので半分づつにしてくっつけて蘇生手術をして蘇ったという経緯があります。もともとはすごく昔の人だったんですよ。
で、18話では過去のミケーネ文明を精神的に辿る、というストーリーなんです。そこにはあしゅら男爵の元になった男女二人が生前のままの姿で生きてるんですよ。あしゅら男爵はそれを見て感極まって涙を流すんですよ。ああこの二人はおれの元々の姿だ!と。彼らはおれだ!と。でも当然記録(もしくは記憶)の中の彼らは何のことだか分からないんですよね。「何だろう、おれたちみたいなやつがいるぞ。何なんだ?」って。分かってくれないあしゅら男爵が説明するんですけど、元になった二人は何のことかわからないわけですよね。何なんだお前っていう。
あしゅら男爵も自分のことなんだから分かってて、でも自分のことだからこそ分かりつつも納得できない。過去の自分(たち)が、自分であることを分かってくれなくて、あしゅら男爵はこう言うんですね。「おれは、お前達だ!」って。でも元の二人は何のことだか分からなくて「あいつは偽物だ」なんて言っちゃうんですね。
分かる。おれにも分かる。自分(たち)でありながら、永遠に埋められないその間を。滂沱の涙を流して、なお埋められないその距離を、その時間を。分かる、分かるし共感できるし、でも根元の部分ではおれには分からない。世界には分からない事ってたくさんあって、それはもうどうしようもなくて。でもそういう事がほんとうにあるのも確かで。
っていうところでああ監督の思惑に乗せられてんなーとか思わなくもないですが(笑)、今川さんっていう監督はそういうことをする人なんですよね。そもそも人間っていうのは業の深いものである、という。

とにかく、今週中はテレビ東京のサイトでタダで見れるので、是非みてみて頂きたいなと。