(レビュー)世界樹の迷宮

昔、Wizardryというゲームがあった。
3Dで描かれたダンジョンを探索し、戦闘を行い、武器や防具を集めていくだけのゲームだ。
Wizardryはシビアなバランスが云々」というのをよく見かけるが、
楽しさの本質はそんなところではなく、戦闘が楽しいところにある。
ただダンジョンに潜り、ひたすら宝箱を開け、レベルアップして強くなるだけのゲームといってもいい。
だが、そのアイテムが、レベルアップが、戦闘の結果に直結されるから楽しいのだ。


世界樹の迷宮」は、恐らくそのようなゲームだ。
重厚なストーリーもない、ムービーシーンもない。
ただただストイックに、ダンジョンを探索する。
だがそこには、われわれがWizardryで感じたあの興奮が存在する。
グレーターデーモンを何匹もなぎ倒し、経験値の表示を見た時の喜びや、
美しく輝く「?ぶき」というわずか6バイトの文字と同じ何かが。


このゲームのプロデューサー新納氏は非常にロジカルな考え方をする人で、
それはカドゥケウスの時のインタビュー(NintendoINSIDE/2005)、世界樹の迷宮インタビュー(NintendoINSIDE/2006)、
ファミ通のインタビュー(週刊ファミ通/2006)で、
「あえてゲームオーバーになるバランスに設定して、繰り返すことでプレイヤーが学習してクリアできる」
という同じ趣旨の発言をしていて、思想がブレていないことからも伺える。
ゲームそのもの、ゲームのシステムに自覚的な人は、信頼できると思うよ。

世界樹の迷宮(特典無し)


*この記事は購入前に書かれたものです